1. グラスフェッドビーフとは
グラスフェッドビーフとは、牛が生涯を通じて草や牧草を主食として育った牛肉のことを指します。これは、穀物や大豆などの飼料を食べて育った一般的な飼料肥育牛（グレインフェッドビーフ）とは異なります。グラスフェッドビーフは、自然に近い環境で育てられ、抗生物質や成長ホルモンの使用が少ない、または全くないことが特徴です。この飼育方法は、牛の健康だけでなく、肉の品質にも影響を与えるとされています。
2. グラスフェッドビーフの栄養価
グラスフェッドビーフは、グレインフェッドビーフと比較して、多くの栄養面で優れているとされます。例えば、グラスフェッドビーフはオメガ3脂肪酸の含有量が高く、これは心臓病のリスクを低減するのに役立つとされています。また、抗酸化物質であるビタミンEやβカロテンの含有量も高いです。さらに、飽和脂肪の量が少なく、全体的に健康に良いとされる脂肪のバランスが取れていると言われています。
3. グラスフェッドビーフが環境に良い理由
グラスフェッドビーフの生産方法は、環境に対する負荷が少ないとされています。牧草飼育は土地の自然な生態系を維持し、土壌の健康を促進することができます。さらに、穀物飼料の生産に必要な大量の水や化学肥料、農薬を使用しないため、水質汚染や生態系への影響を減らすことができます。また、グラスフェッドビーフは地域の小規模農家によって生産されることが多く、地元経済の支援や持続可能な農業実践の促進にも繋がります。
4. 日本でグラスフェッドビーフが流通していない理由
日本でグラスフェッドビーフが一般的でない理由はいくつかあります。まず、日本の気候や地形は牧草飼育には適していない地域が多く、牧草地の確保が難しいことが挙げられます。また、グレインフェッドビーフに比べて生産コストが高くなりがちであり、市場での価格競争力が低いことも理由の一つです。さらに、消費者の間ではグラスフェッドビーフに対する認知度が低く、その栄養価や環境への利点についての
情報が十分に伝わっていないことも、流通が進まない一因と考えられます。
